オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
目の前の部長の顔が霞んで見えて来る。涙が瞼の奥を焦がし、零れそうになった。



「…泣くな…」


有栖川部長は困惑したように俯き、私から身体を離す。


「だって、私…有栖川部長に御迷惑掛けてばかりで…」


「今に始まったコトじゃない・・・」


「それもそうですが…」


「お前に泣かれるとどう扱えばいいのか…分からなくなる。いつものお前に戻ってくれないか?」



「あ、はい…」



私はアイラインが崩れないようにハンカチで涙を拭いた。



「俺は先に出る…お前が出る時、元の透明硝子に戻しておいてくれ」


有栖川部長は私にリモコンを渡して先にミーティングルームを出て行った。






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