ミカンとおれんじ ~High School~
「萩尾くんのは何味?」


「同じ。蜜柑」


萩尾くんはそう言って、飴を口に含んだ。


甘い蜜柑の飴のにおいが鼻をくすぐる。


そしてあたしはある事に気付いた。


「あ」


「え、何」


「萩尾くんで、名前の中に『オレンジ』って入ってるね」


『萩尾』の『オ』と、『蓮二』をカタカナにして。


『オレンジ』......。


何だかおかしくなって、ぷはっと吹き出した。
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