ミカンとおれんじ ~High School~
「話は、これの事なの」


そう言って、ソファの裏に隠しておいたギターを取り出した。


お母さんはそれを見た瞬間、ばい菌を見るような眼つきに変わった。


「それは何?」


「ギター」


あたしが答えると、お母さんな拳をふるふると震わせて、


「そんなこと分かってるわよ!!お母さんが言ってるのはね、どうして今それがここにあるのかって事よ!!」


と感情に任せる様に叫んだ。


そしてあたしから強引にギターを取り上げると、それを睨みつけて、


「......いいわ。これは、お母さんが捨てておく。そっちの方があんたの為になるしね」


と冷たく言った。


あたしは、たまらなくなって、


「待って!!」


とお母さんの手を掴んで止めた。
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