聖なる夜に永遠の約束を【クリスマス企画】


「柊、こちらこそよろしくお願いします」

涙を流しながら笑顔を向ける紗雪から指輪を取ると、力が入り切らないながらも、何とか左手薬指にはめてやれた。

「ありがとう…。そうだ。柊、私今からマフラーを探しに行ってくる。実は、それだけ見つかってないの」

立ち上がった紗雪の腕を掴んだ。

「いいんだ、紗雪。それは実花が持って行った」

「え?実花さんが?」

意味が理解出来ない様子の紗雪に、俺は微笑んだのだった。

「本当にいいんだよ。紗雪さえ側にいてくれれば、もうマフラーはいらない」

実花、約束するよ。
今日、このクリスマスイヴから、俺は紗雪との新しい時を進めると。

その為に、俺を呼んだんだろ?
ちょっと手荒い手段だったけど、嬉しかったよ。

さようなら、実花。
その場所から、俺たちを見届けて…。

紗雪と実花、最愛の二人に永遠の約束を。
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