ドレミで愛を奏でよう
「そしたら、高野道也様が来てくれたと言うわけです」


なんだ。“様”って。


てそれより…


「何でそうなるんだ」


「え?」


「何でそれが“カツアゲ”って解釈になるんだよ」


だって普通、それカツアゲじゃねぇだろ。


しかもその男、多分勘違いしてるぞ。


あぶねぇな、こいつ。

俺が行かなきゃヤバかったぞ。マジで。


「え?だってこんな地味で冴えなくて可愛くない私に話しかけるなんてよっぽどの物好きか、カツアゲかしかないじゃないですか」


「……」


またも沈黙。


こいつ…マジか…


そんなことを話していると、校門前に着く。


「おい」


「何ですか?」


校門をくぐった音色に後ろから呼び止めた。


いつの間にかいつものように眼鏡と三つ編み姿になっている。


こいつ…忘れてたけど、元はこれなんだよな。


「クラスのみんなには言うからな」


「何をですか?」


「俺たちが付き合ってること」


正確には、“フリ”だけど。


「あ、それから俺のことは道也って呼んで」


“様”とか、マジ勘弁。


「恐れ多いですよぉ」


顔を真っ赤にしてうつむいている音色。


「あ?」


「ひっ…みっ、道也君でお願いします…」


ん。ひっ…は気になるけど、まぁいいか。


「上出来」


俺はそう言って音色の頭をぽんぽんと叩いた。
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