ドレミで愛を奏でよう
って小さく呟いたら、またまた道也君、大爆笑。


「ホントに死んじゃったかと思ったんですからね?」

半泣き状態のまま、私は道也君の顔を見る。


「何で泣くの?」


「へ?」


「今、音色が泣いてんのって、何で?」


「そんなのー…道也君が死んじゃったのかと思って…」


「俺が?それってさ、人が死んでそうだったから?」

「それとも…」


そういって道也君は顔を私に近づける。


さらっと揺れる道也君の髪。


少し近づけば、簡単にキスできてしまいそうな距離。

道也君の吐息が、私の頬に触れる。


「他の誰でもない俺が死にそうだったから泣いたの?」


私の顔を除き込むようにして話す道也君。


へー…?


道也君だったから??


ドキドキドキドキ。


道也君だったか…


ドキドキドキドキ。


みちやくっ…


ドキドキドキドキ


えーい!


うるさいっ心臓っっ


「なんてな♪」


へ?


「冗談。からかってみただけ。っつか、歌でどうやって死ぬんだよ」


道也君は「ばーか」と言ってまた笑った。


その時、扉をノックする音が聞こえた。                                                                                     
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