ドレミで愛を奏でよう
「何ですか??」


「16の女のケータイに、メモリ数4人ってどうなの(笑)」


え?


確かに潤とお母さんとお父さんと道也君しかメモリに登録してないけど。


「はあー…おもしろ。また明日な。ー…音色」


ひとしきり笑い終わったらしい道也君は、目に涙を浮かべて微笑んだ。


「はいっまた明日!」


また、“明日”ー…


明日、また会える。


また“音色”って呼んでくれた。


嬉しいな。


なんて思いながら駅の方に歩いていく道也君の後ろ姿を、私はケータイを握りしめながら見送った。 
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