闇ノ花




「ふぅっ、終わった」





素振りを何度も何度も繰り返し、肩を上下させている時だった。





「では最後に、素振り百回やったら終わりましょうか」





……爽やかな笑顔でそう言っている鬼がいる。





「はぁ……本気ですか……」


「えぇ。本気です」





現代では、“鬼の副長”と言われた土方さんが有名だけど、この人だって充分鬼だと思うよ。



鬼の沖田さんめ……っ。



なんて、心の中で叫びながら、私は竹刀を勢いよく振り下ろした。




< 124 / 522 >

この作品をシェア

pagetop