闇ノ花
私は闇の人間。
闇の忍。
言う必要もない。
知られる必要もない。
私がいるべき場所は、どこまでも続いていく闇。
それただ一つなのだから。
私はまだ、負けていない。
反撃するため、苦無を取ろうと懐に手を伸ばす。
が、それも奴に止められた。
両腕が拘束されている状態。
月光で、僅かに奴の目が見えた。
……何も見えない、闇のように真っ暗だった。
私と、同じ……?
「負けを認めろ」
奴はそう言うと、素早く手を動かし、私の顔を覆っていた真っ黒い布をはぎとる。