闇ノ花
「身のこなし、体勢、苦無捌き」
「……」
「どこをどう見ても、あれは小松流だった」
表情を変えないように、必死に平然を装う。
どうしよう……と不安な気持ちが溢れてきた。
相当、奴は洞察力が優れているみたいだ。
「お前の名字は、小松であるはずだ」
「……」
もう、奴に嘘を貫く事は出来ない気がした。
何だか自分が情けなくなり、悔しくなってきた。
何でこんな、いとも簡単に……自分の事がバレてしまったのだろう、と。
ぐっと唇を強く噛む。