闇ノ花

風向き変わる



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「それでは、行ってくる」




それからさらに数週間後。


近藤さんは、隊士募集の為に江戸へ向かう事となった。


それに続いて、藤堂さんや永倉さんの姿もあった。


私や山崎や土方さんは、江戸に行かないでここで留守番。


だから、門まで見送りに来ていた。





「気を付けて下さいね」


「あぁ!ありがとな!」





にかっと明るい笑顔で笑う藤堂さん。


その笑顔だけで、私も一瞬で明るい気持ちになってしまう。


サァッと風が吹いて、一枚葉が舞い降りる。


それと同時に、私達に背を向けてみんなは歩いてく。


──何だかまた、一抹の不安を感じた。



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