闇ノ花
すると、真っ先に捉えたのは、お爺ちゃん……ではなく、奴だった。
反射的に奴を睨みつける。
奴は昨日と同じく、真っ黒な服に身を包み、顔も布で覆っていた。
あ……何だ、夢じゃなかったんだ。
さっきの女の子と男の子が出てきたのが夢で、これは現実なんだ……。
「局長と副長の所に今から行く。決して無礼な真似はしないように」
「……」
私は無言のまま立ち上がると、スタスタと歩いていく奴の後ろ姿を追いかけた。