闇ノ花


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その日、私は伊東さんの部屋の天井裏で、監視をしていた。


久し振りの感覚……だから、少し緊張している。


しかも今はちょうど、伊東さんと何人かの男が集まって話をしていた。





「……いいですか。何度も言いますが、私達が目指しているのはあくまでも尊王攘夷。会津藩のお預りである新撰組とは、志が違うのです」


「はい」


「ですから……そろそろ、決行してもいい時期でしょう。

──御陵衛士という組織を作り上げ、尊王攘夷を目指すのです」


「はいっ!」





は……?


この人達は、何を言ってるの?


尊王攘夷?




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