闇ノ花




「充分だ、それだけで充分だ」


「だ……けど…」


「俺らがやった事が、未来に伝わっている。でかい事をやったって証拠だろ?それだけ分かれば、充分だ」


「……っ」


「それにお前は、守ろうとしてくれただろ?ていうか、こっちはもう、たくさんお前に助けられてんだよ」





その優しい言葉と共に、頭に柔らかい温もりを感じた。





「部屋に、戻るぞ」





土方さんは、私の体から腕を解き……私は泣いたまま、庭を離れたのだった。




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