闇ノ花
私だって、まだ信じ切れてないんだから。
そして。
「そう、か……」
沈黙を破ったのは、山崎だった。
その声は、すごく戸惑ったような色を醸し出している。
当然だ。
タイムスリップなんて、信じられない。
「本当なのか、未来から来たというのは」
「私だって、これが嘘だと思いたいよ……早く元の時代に帰りたい」
お爺ちゃんに叱られてばっかりの毎日だったけど、こんな事になるなら、そっちの方がよっぽどマシだ。
早く、帰りたい。