闇ノ花




だけど……




“お前は未来に帰り、幸せになった方がいい”




山崎の言葉が脳裏を蘇り、私の心を揺らす。


本当ならずっとここにいたい。


山崎の側にいるのは辛いけど……まだ、みんなを守る事が間に合うのなら、助けたい。


だけど私は、未来に戻って復讐をしなければならない。


次に、あの刀が目の前に現れるまで……そろそろ、覚悟を決めなければならないのかもしれない。


……私の忍の力は、だんだん弱くなってきている。


人が死ぬ所を見て、手足が震えてしまう。


だけど……それに抗わなければ、復讐なんか出来ない。


もちろん、死を覚悟の上だ。


私が未来に帰る理由は、山崎が言ったように、幸せになる為なんかじゃない──。



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