闇ノ花




四人が寝ている部屋に、誰かが入っていく。


二、三人の人……。


刺客か、とも思ったけど、よく見ると真っ黒な服を身に纏っていた。


──忍だ。


その忍達は、苦無をお母さん達に向けていた。


そして、部屋の中を苦無が飛び交う。


何をやってるの?


やめてよ……!


そんな叫び声も、声に出す事は出来ない。





『お前は外に……っ』


『母様は?父様、お爺ちゃんはどうなるの⁉』


『いいから、早く行きなさい!』





私は、お母さんに叩き起こされ、部屋から追い出されてしまっていた。




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