闇ノ花




「副長、何故ですか」


「もうお前の仕事は終わった。お前はもう、充分働いてくれた。……小松と江戸へ向かい、佐藤彦五郎という人の所へ行け」





どうして……。


疑問に思ったのは、山崎も同じみたいだった。





「しかし……!俺にもまだ出来ることがあるはずです!」


「これは、副長命令だ」





土方さんがそう言うと、山崎は唇を噛んで……ぐっと身を引いた。


しかしこれは、山崎が必要ではなくなったとか、そんな意味ではないことは事実だった。


土方さんは厳しい表情を浮かべながらも……その声色は、優しかったから。




< 514 / 522 >

この作品をシェア

pagetop