後輩レンアイ。
「そうです。
アナタなんかに事情を分かってもらおうなんて思わない。
アナタには親がちゃんといるでしょ?」

「離婚して、俺には親父しかいない。」

へー、そうなんだ。

「なら良い方じゃない。
わたし達は、両方いない。」

「真奈、それ以上はダメ。」

あたしは真奈を制した。
だってこの勢いなら絶対あの事いうもの。


「…親いないんですか?」

はー。

「いないよ?」
「じゃあ、独りでこの人数分の教育費+養育費払ってんですか?」
「そうだけど。」

質問責め。
だから言いたくなかったのに。

「なんで親いないんですか?」

…だからそれにはふれて欲しくないっての。
空気読めよ。

「関係ないでしょ?さ、出てってよ。」

あたしはイケメンクンを、無理矢理外へ追い出した。

スタッフルームに戻ると、陸が心配そうにあたしを見た。

「清ねぇ、平気か?」
「うん。ありがとう、陸。
一番上の陸がちゃんとしてくれるから、あたしは頑張れるよ。」

そう言って頭を撫でると、陸は嬉しそうに微笑んだ。
あたしは、この顔が見れるなら、この顔を守るためなら、なんだってする。

そう、決めたんだ。
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