ホントに大切なもの☆
暫くボーッと彼女を見ていると…

来瞳が「明希…?」と話し掛けてきてそれに俺は、「ん?あぁ…」と返事をした

すると来瞳が「あっ!美雨さんだ!帰ってきたんだ!」と言い俺の前にパスタを置き、一緒にテレビを見始めた
そんな来瞳に「同じ事務所やもんな…」と言うと来瞳は、「うん!あれ?てか…明希なんで知ってるの?会った事あるんだ?」と聞いてきたから俺は、焦って「えっ…あっ…あぁ、Black Butterflyの時にメンバーが仲良かってん!」とゴマかした

すると来瞳は、「いいなぁ~!まだ会った事ないんだよね…」と言い俺は、「会わんでええよ…」と言うと来瞳が俺の顔を覗き込んで「なんでそんな悲しい顔するの?」と訊いてきた

俺は、思わず「えっ?そんな顔しとる?」と来瞳に訊くと来瞳は、「してるよ?疲れてるからそう見えるのかな?」と言い「きっとそうやで!飯食うわ!」と俺は言い、来瞳が作ってくれたパスタを食べ始めた

そんな俺は、来瞳に「ねぇ、美雨さんってどんな人?」と予想外の質問をされ、焦って「ブッ!いきなり変な事訊くなや…」と言い俺は、パスタを吹いてしまった
明らか動揺する俺を来瞳は、不思議そうに見て「そんな変な事訊いた?動揺し過ぎじゃない?」と言った

焦ってる俺は、その場をなんとかゴマかそうとして「あっ、せやな!動揺やないで!来瞳が人の事を訊くん珍しいと思って…」と言うと来瞳は、「ふ~ん… 美雨さんの曲は結構聞くから知りたいだけだよ?ねぇ、どんな人なの?やっぱりあんな可愛いの?」と訊いてきた

そんな来瞳に俺は、「ん…せやな…可愛いかはわからんけど…気が良く利いて明るいし優しくて料理上手やったかな…」と口を滑らせて言ってしまった

来瞳は、そんな俺の言葉を見逃すハズもなく「料理上手って…作って貰った事あるの?」と聞いてきた

俺は、その質問に同様して「へっ?あっ…差し入れか何かで持ってきてくれた事あって食べたんや!」と言うと来瞳は、「そう…私、先にお風呂入ってくるね!」とそう言ってバスルームへ行った

俺は、ひとりその場で「隠しきれんのも…時間の問題かもな…」とそう呟き、残りのパスタを食べきる

その時、ポケットの中で携帯がバイブが鳴った

画面を見てみると知らない番号

イタズラ電話だと思い、切れるまで待っていたがなかなか切れない

仕方なく電話に出て「はい…」と俺が言うと電話の向こうから「やっと出た!」て聞こえたからその相手に向かって「どちらさん?」と尋ねると「私!美雨だよ!」と美雨の声

俺が「美雨?なんで番号知ってるん?」と美雨に尋ねた

噂をすればと言えばいいのか…

突然で動揺が隠せない

俺がそんな事を考えてると美雨が「嫌なの?(笑)なかなか連絡くれないから舞央くんから聞いたの!」と言い俺は、「あっ…そうなん?悪い…」と申し訳なさそうな素振りをして言った

そして美雨が「今年の夏フェス出るんでしょ?事務所変わって私も出るの!」と言い出した

そんな美雨に俺が「変わったんか…そっか…」と言いその後、沈黙が続いた

その時…

お風呂から上がった来瞳が「明希ー!お風呂空いたよー!」と言ってきた

電話口でその言葉が聞こえた美雨が「あっ…取り込み中だったんだ?ごめんね!またね!」と言い俺は、「悪いな…じゃ」と言って電話を切り、バスルームへ向かった

浴槽に浸かりながらさっきの美雨の電話の事を考えていた

なんでこんなに動揺してしまうのか…

まだ美雨の事が好きなんか?

いや、俺が好きなんは、明希や…

だから彼女の事は、もう吹っ切れてる

時間が空き過ぎてどんな風に話してたか忘れているだけ

やっと穏やかな生活が続いてたのに…

神様は、やっぱりイジワルで…
俺は、「ハァ…次は美雨かよ…」と呟き、お風呂から上がった

そしてその夜、俺は、来瞳を抱き締めながら眠りに落ちた…

そして2日間休んだおかげで疲れは取れ、また曲作りに入る

マネージャーが「明希さん、夏フェスの曲順どうします?」と訊いてきた

俺は、「そう言えばもうそんな季節か~」と言うとマネージャーが「あっ、さっき美雨さんが差し入れ下さいましたよ!」と言うと俺は、ビックリしながら「はっ!?美雨来たん!?」と言うとマネージャーが「はい!」と言って大きな弁当を持ってきた

するとマネージャーが「"皆さんでどうぞ"って!食べましょ!」と言った

俺は、「マジかいな…ハァ…」と溜め息を吐きながら言うとマネージャーが心配そうに「溜め息ついてどうしたんですか?昔から仲がいいんじゃないんですか?」と聞いてきた

そんなマネージャーに俺は、「せやけど…恩ができるやん…したら返さなあかんやん…」と言った
< 22 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop