Street Ball
徐々に指先へ近付いてくる熱さを感じ取り、アルミ製の灰皿へ穂先を押し付ける。


今までもバスケをする場所が無くて、くすんだ日々を送っていたのに…。


ましてや、熱くなれる試合を終えた後とくれば、一ヶ月が途方もなく長く感じてしまう。


普通なら、友達や彼女と海に出掛けたりもするんだろうけど、とてもそんな気分にはなれなかった。


高校を辞めたら、前よりも堕落した日々を送るのだと思っていた。


それが今じゃ、毎日早く起きてランニング。


まぁ身体を動かしてもスピリットは止めてないし、祝勝会で呑む機会も増えた事を考えれば、プラマイゼロって事になるだろうか。


マイナスな日々じゃないだけ、以前よりマシとも言えるかな。


考える事を止めて、空き缶の片付けついでにシャワーを浴びに向かう。


すっかり身体に馴染んでしまったランニングの習慣は、怠ろうとすると気分が悪くなる。


シャワーを浴びてから、ナイロンのセットアップに着替えて家を出た。
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