Street Ball
仕方なくエレベーターから降りると、立ちこめた暗雲から雨が降り落ちていた。


夜空を見上げていた二人の目が合うと、今度はどちらからでもなく唇を近付ける。


次の店へ行くというのは、単なる口実だったのだと確信した。


それから先の事は余り覚えていないが、タクシーを降りた時の、運転手の顔が卑しい顔付きだった事は、頭の片隅で覚えていた。


綺麗に片付けられたリビングを抜け、碧の香りがするベッドルームへ…。


口付けを交わしながら倒れた二人に、ダブルベットが僅かに軋みを上げる。


雨に濡れたからとでも言いたそうに、お互いの服を脱がしていく。


チューブトップを捲り上げ、露わになった胸を貪った。


指の隙間から零れてしまいそうな程柔らかく、片方には顔を埋める。


刺激に淡い吐息を吐いた碧は、胸に埋まる俺の顔を引き上げた。


再び交わされる口付けは、貪っていたという行為に恥ずかしさを感じさせた。
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