Street Ball
これじゃ、意地でも足下をふらつかせる訳にはいかないな…。


俺の腕を挟んでしまう程の胸に、思わず唾液を飲み込んだ。


見ないようにしていると、押しつけられていると錯覚する感触が、冷静な意識を攫っていく…。


横から立ち上るベビードールの香りが、理性に止めを刺した。


開いたエレベーターに乗り込むと、絡む腕もそのままに碧を抱きしめる。


次の瞬間には、碧の形の良い唇へ近付いていく。


絡む腕を放し、碧の両手は俺の背中へと回っていった。


重なる唇と唇の間を、熱を持った舌が這っていく。


それも受け止めた碧は、自らも熱い舌を絡めてきた。


時間も忘れてお互いの舌を求め合っていると、エレベーターが地上に着いたと告げている。


狭い箱の中には、ベビードールの匂いと、口内に残る微かなグレープフルーツの香り、そして色めく空気が漂っていた…。
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