Street Ball
鍵は鍵穴に指したまま、ドアを背にして立つ碧。


真っ直ぐに伸びた毛先から、トリートメントの香りとベビードールが鼻に届く。


「私との事?それともロンの事?」


やはり、碧が謎を解く鍵を持っているに違いない。


「どっちも。ロンの企みは何時からなんだ?まさか俺に近付いて来た時からじゃないだろ?」


そうじゃない事は、俺と碧の関係を知ったロンが取り乱したと、アキが言っていたから分かっていた。


そして、そうではないと信じたい自分も居た。


今思えば、互いに慰め合うような情事だったようにも思うが、その時だけは違っていたと…。


「ロンの構想は以前から有ったみたいだけど、違うわ。でも、惜しいと言った所かしらね?プレイヤーなら知らないのも無理はないけど、あの場所で一ヶ月に動く金額が幾らか分かる?」


Street Ballの試合は、詰め込んでも一ヶ月の内に八試合だとロンが言っていた。


単純に計算すると、賭けは八回行われる。


ギャラリーの人数にもよると思うが、一試合の平均で十数万くらいじゃないだろうか?
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