Street Ball
碧のマンション前でアキと別れ、アパートへと歩いていく。


泰二と鉄にも、一部始終を話さなければならない。


勿論、俺と碧の関係もだ。


そして、翠とも…。


弱々しく光を放つ、アパートの廊下の照明に照らされながら、三人は階段の所に腰を置いていた。


電話がなかったので、無事に逃げられたのだとは思っていたけど、やはり姿を見るまでは落ち着かなかった。


「どういう事なんだ?」


真っ先に口を開いたのは、一番下の階段に座っていた泰二。


怒りと困惑の境を彷徨っているような表情をしている。


「その前に、翠は俺の部屋に行っててくれないか?」


何も言わずに立ち上がった翠は、そのまま階段を上がってアパートに入っていった。


それを確認し、順を追って泰二と鉄の二人に事情を説明していく。
< 397 / 410 >

この作品をシェア

pagetop