そしてまた、キミに。



気がついたら辺りは暗くなっていて
子どもたちの声もなく静寂だった。


あたし以外誰もいない公園には
誰かが忘れたであろうボールがポツンと落ちている。


ふいにそのボールに近づくと、

側に小さな一輪の花が咲いていた。



…かわいい。


その花は風にゆらゆらと揺られながら
たった一人で凛と立っている。



どこからやって来たんだろう。

たった一人で…あなたは強いね。


その場にしゃがみ込んで
しばらくその花を眺めていたら、


少し向こうにノラ猫がいることに気づく。


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