そしてまた、キミに。

動き出す歯車。

【愛子side】




体育祭当日。




『でも俺、本気で頑張る。
坂口さんのために勝つって決めたから』


あの帰り道に言っていた言葉通り、
清水君は本当に凄かった。


騎馬戦は清水君の一人勝ちで、パン食い競争は誰一人清水君について行ける人はいなかった。

清水君のクラスメートはみんな、
「今日のアイツ何でこんな強いの?」って驚いていた。


''想い''が持つ力って本当に凄い。

私は目の前で起こる奇跡とも言える勝利にただただ感動していた。





お昼を食べた後、
私は優のもとへ向かった。


優は屋上のフェンスにもたれて
空を見上げていた。



「優。ここにいたんだ」


「…うん」



「すっごく天気いいね」


見上げた先には、
雲ひとつない青空が広がっていた。


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