顔をあげて
私は階段のありを観察しながら待っていた。

『携帯もってこればよかったな…もう家には帰れないのかな。…腹へった…』

なんてぼんやり考えてたら階段を一段とばしで楽しそうにに登ってくる彼の姿が目に映った。

『小学生みたい(笑)』
と顔にはださず心で笑った。

「よかった~待っててくれて♪改めまして、俺、栗原一樹(かずき)。よろしく。」

彼はまた無邪気な子供の様に笑った。
私は恥ずかしくて下をむいて、
「よろしく」
と小さく呟いた。すると彼は急にポケットから少しくしゃっとなったカットバンを取り出し、血のにじんだ私の足に貼り付けた。

なぜかどきどきしてしまった。

「どっ…どうして、礼羅の名前しってるの?」
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