兄弟的同性愛事情
「兄ちゃん、もう大丈夫だよ!?」
「ちゃんと冷やさないとダメだ。痛いだろうけど、少し我慢しろ」
我慢しろって言われたって…痛いよ!!!
兄ちゃんは俺の腕をしっかりと掴んでいて、俺が逃げないようにしている。
くそ~…
恨めしく思いながら兄ちゃんを少し睨む。
少し怒られた…よな?
なぜかわからないけど…。
しばらくすると、やっと水を止めてくれた。
「痛かったろ?…ごめんな」
「んっ…」
不意にされたキスは優しくて、一瞬にして離れた。
兄ちゃんは冷蔵庫の横に置いてある救急箱を取り出して、俺の腕に湿布と包帯を巻いた。
ひんやりとして、熱くなっていた腕を優しく冷やしていく。
「夕食は俺が作るから、李桜は向こうで休んでて」
「兄ちゃんっ」
「…ん?」
「…ありがと」
頭を撫でてくれる兄ちゃん。
いつも通り。
…の、はずなのに…
なんだろう…?この違和感。
変なんだ。…なにが?
距離がある気がする…。
♪♪~
ポケットから着信音。
俺より兄ちゃんが早く反応した。
「!もも…?」
『李桜ー!!!』
急いで自分の部屋に駆け込んだ俺に、兄ちゃんの冷たい視線が注がれていた。