大人になりたい
「はい、クラス委員と係決めるぞー。」

宮本先生が黒板に委員会名と係名を書き出す。

「よし、とりあえず自分のやりたい係に手あげてください。」

「夏希ー!試しに化学係に手あげてみない?」

「え、なんで…」

「えー。だってぇ!櫻田先生とお近づきになれるチャンスじゃん!」

「そ、そだね。」

「次ーー。化学係になりたい人ー。」

手をあげたのは私と春子…………………
だけのはずがない。
クラスのほとんどの女子が手をあげた…
イケメンパワー…………
おそるべし…

「多いな。よし、今手をあげた奴らでジャンケンしなさい。」

「夏希!絶対負けちゃダメよ!」

な、なんで私が…
待って…………
女子の目が光ってるんですけど…

「いくわよ!じゃーんけーん…ぽん!」

あ、……………………
勝っちゃった………………………。

「夏希!強っ、なに1発で勝ってんのよ!面白過ぎるわよ。」

いやいや!偶然だから!

「決まったかー?」

「先生ー!瀬川さんに決まりましたーー!」

「お!瀬川か、じゃあ後で櫻田先生に挨拶しとけよ?」

あ、決まったのか…………
って…え?挨拶?
職員室行かなきゃなの…?

イケメン先生に近づけるけど………
初日から職員室行くなんて…
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