欲しいものはひとつだけ
時計の針が7を示す頃、前のデスクの後輩がソワソワし始めた。鳴り響く電話。



「適当に切り上げて帰っていいよ」



「でも…」



「デートやろ?」



顔を赤らめる後輩の背中を押して、私は、デスクに向かった。19時を過ぎると、電話はピタッと鳴り止んだ。


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