最低男との結婚
「変な奴・・・」


そう言って笑う姿を見ると

こんな行動して嫌われなかった・・

と、安堵してる自分がいる。


「寒いから、
こっち入れ」


「へ・・・?」


「中の方なら寒くねぇから。
隣にでも座っとけ」


「う、うんっ」


予想外の言葉に

声が裏返ってしまうほど
テンションが上がってしまっている。


大輔のいる中の方に行くと

想像してたより広く、

普通に大輔の後をすり抜けれるほどの広さと奥行きがある。


奥には小さな暖房器具と

イス代わりのような缶が数個あり

漫画本や雑誌もあって

ちょうど向こう側からは視角になるという、大輔ならではの休憩スペースだ。


「そこ座っとけ」

「うん」


座りながら

知らなかった大輔の一面を見れたようで

思わず顔が緩んでしまっている自分。


「ほら、食え」

「あ、ありがとう」


お皿に入れられた
できたてのたこ焼を渡され
座りながら、口に運んでいくと

「おかわり・・・」

あっという間に食べ終わってしまい
空になったお皿を大輔に差し出した。

「は?お前もう食ったのか!?
ったく・・・」


そう笑いながら
お皿いっぱいに入れてくれる姿を見ると

私の顔は、もう緩みっぱなしで


「ニヤニヤして
ほんっと変な奴だな」


大輔に笑われてばかりだ。



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