最低男との結婚
頬を、とめどなく流れる涙を
両手で拭いながら

バッグから

ノートを取り出し

一枚破くと、


机に置いた。




ペンを片手に


何を書くのか分からず

そのまま考え込んでしまい

ペンが止まったまま

紙を見つめている。




・・・ダメだ。



手紙なんて置いていかれても

大輔の事だ、困ってしまうだろう。


紙を手に取り丸めると

ゴミ箱へと投げ捨てた。




持てるだけの荷物をまとめ、

部屋を見渡しながら

大輔と一緒にいた時間が

頭の中を過ぎる。


そんな感傷に浸ってる間に、


「あれ?優奈
学校まだ行ってなかったんか?」


タイミング悪く、

今、一番
会うべきではない男に会ってしまった。




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