最低男との結婚

自覚

「あ、あのっ」

「あ?」


電話を終えたばかりの男が

不機嫌そうな表情で

私の方を見た。


「私は、あなたの何なんでしょうか?」


「は?」


そんな驚くような事を聞いた覚えはないんだけど・・・



「だから、私は何?」


「彼女だろ?」


彼女・・・その答えに

少しだけ・・・安心して、

けれど、その分苦しさも、不満も

倍増していくという

悪循環に陥りつつある。



「じゃあ・・どうして
他の人と・・」


どう言えば伝わるのか分からず

言葉に詰まってしまった。



「意味分かんねぇんだけど?」


「だから・・・・
その、キスマーク・・・」


「は?キスマーク?」


ルームミラーを見ながら

ようやく気づいたらしく


「これが、お前が
やる気なかった理由か?」


やる気なかったって・・・・



< 51 / 275 >

この作品をシェア

pagetop