最低男との結婚
「順序をという事での反対なら
結婚すればいいって事ですよね?」


「え、あの・・その、いえ・・」


たしかに・・・・

お母さんの言ってる事は

結婚する前の同棲は認めないと・・・

言ってるわけで・・・。


かと言って・・・


いきなり結婚って・・・・


いや、たしかに

何考えてるか分かんない人ではあるけど

こんなぶっ飛んだ発想は・・・


さすがに・・・

予想すらできない。


「優奈は?」


「へ!?」


「どうしたい?」


「私は・・・・
ずっと、一緒にいたい・・・」



お母さんは、突然すぎる事に

呆然として・・・


ただ、一点を見つめている。



そして・・・・


「ちょっと・・・失礼します」


そう一言言うと
部屋を出て行き・・・

20分ほど経ち、ようやく戻って来ると

真剣な表情で大輔の顔を
まっすぐに見ながら


「そこまで・・本気なのでしたら
明日、婚姻届を持って来て下さい。」


厳しい口調で大輔に言い放った。


「・・・分かりました。
それじゃ・・・今夜は
これで、失礼します」


そう頭を下げ、

帰って行ったけれど・・・・

残された、私とお母さんは

沈黙の時間だ。


< 68 / 275 >

この作品をシェア

pagetop