高梨さんと北条くん
そのこえは姉にはとどかず、結局、俺は自分の学校の校門まで来るようメールをして、弁当を渡した。
「いやあ、ごめんごめん」
軽い口調で謝る姉にはもうため息をつくしかなく。
「それにしても、ひっさびさだなあここ。大学から近いんだからこんどまた寄ろうかな〜んじゃね〜ありがと」
一方的に話を終えられて、バイバイと手を振って別れた。
今日も高梨は喜んでくれるかなと思いながら、学校玄関に向かった。