高梨さんと北条くん

たった数秒もなかったけれど、その甘い感覚に酔って思わず微笑んだ。

「…マジそれ反則」

隣で顔を覆ってそっぽを向く北条。

「…ああ!もう、!」

そういって少し強引に顎を持たれて、また唇がかさなる。


顎を持つ手と違って重ねられたそれはすごく優しくて、いつまでもこうしていたいと思った。
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