冷徹ドクターに甘やかされてます
「私ね、将来の夢があったの」
「夢?」
「うん。保育士になりたかったんだ。だからこう見えてもピアノも弾けるんだよ」
「あー…だから折り紙とかも」
「まぁ、あれは暇つぶしにやってたら予想外に喜ばれたから覚えただけなんだけど」
灯が生まれてから
病院にお見舞いに通ううちに、子供たちと知り合って
そのうちに考えるようになっていた夢
「けどまぁ正直高校の学費まででギリギリだったし、その高校生活の間もバイトばっかりでまともに勉強もしなかったから成績も悪かったし」
「……」
「結局、諦めちゃったんだ」
けど
お金のこと
生活のこと
灯のこと
いろんなことを考えたら、諦めていた