冷徹ドクターに甘やかされてます
(…春田、先生…)
私の知らないところで
彼も、思い出を抱えて
想ってくれていたんだ
そのことが
すごく、すごく嬉しいよ
心があたたかさでいっぱいになって
またあなたを好きになる
「彼女の気持ちが憧れだとか、そんな簡単なものじゃないことは、見ていればわかります。…それに、俺を利用しようだとかそういう風に考えられる人じゃない」
「…つまり、お前自身もその子に惚れ込んでいると」
「まぁ…そうなんでしょうね」
春田先生はは、と笑っては誤魔化さず頷いた。
「…婚約の話をのまないのならお前をこの病院から追い出す、と言ってもか?」
「…!」
「はい」
その問いにも、声は真っ直ぐに返される