シンデレラ☆ジョブ
『美乃里ゴメン!! みんなに聞いたんだけど失敗してケンカになっちゃったんだぁ』
「えぇっ!? 大丈夫なの?」
前に遊びに行った時は
スゴく仲良さそうだったのに
『ん~、社会人の冬子さんって覚えてる? ちょっと彼と色々あって、ピリピリしてるんだよね……』
「そっかぁ……」
冬子さん、サッパリとして
優しい人だった。
時期が悪かったのかな?
『何とか2、3日なら大丈夫そうだから、こっそり泊まってみる?』
「……」
友達だし元々シェアだし
大丈夫かな? って
軽い気持ちで頼んじゃったけど
やっぱり迷惑かけちゃうよね?
あたしは
手の中にあった名刺を見て
ゴクッ、と息をのんだ。
こんなオイシイ条件
何かがあるのかも知れないけど
もう行くしかないよね?
『もしもし? 美乃里?』
「ありがと里美、ゴメンね雰囲気悪くして、他の人達に当たってみるから」
『……大丈夫なの?』
「うん、給料日まで頑張ってみる、部屋探すのは付き合ってね?」
『うん、ダメだったら言って? また折を見て聴いてみるから』
「ありがと」
こうして
あたしは、昨日会ったばかりの
サラリーマンの所で
バイトをすることに決めた。