シンデレラ☆ジョブ

「……」





 それは、さっき聞いた

 3時間のコトを

 言ってくれているのだろう。



 体感と言うのが気になるけれど……。





「ダメかな?」





 あたしは、あわてて頭を横に振り





「ヨロシクお願いします!!」





 と、大きく頭を下げた。









 それから

 あたしと平井さんは、一緒に

 あたしの部屋の荷物を取りに行った。



 彼のお家と比べると

 恥ずかしいくらい狭くて

 荷物もなかったけれど。





「思ったより時間もかからなかったから、夕食前に買い物行こうか?」



「買い物?」



「そう、美乃里ちゃんのお仕事用」



 へ!?



「何ですか? ソレ」



「まだ秘密♪ 行こうか?」





 えっ? えぇ~っ!?



 平井さんは楽しそうに笑って

 玄関に荷物を置くと

 そのまま鍵を閉め、あたしの手を取り

 ショッピングモールまで向かった。





「……」





 ずっと手をつないだまま街を歩いた。



 ウインドウショッピングね♪

 と言って、平井さんが

 可愛い洋服屋さんとか

 靴屋さんとか鞄やアクセサリー屋さん

 雑貨屋さんに連れて行ってくれた。



 買わなかったけれど

 着てみたり、履いてみたり

 キラキラした女の子な雑貨たちを

 見るだけで幸せな気持ちになれた。



 まるでデートしてるみたいに

 見えているだろうな。



 バイトと学校と勉強の毎日だったから

 こんなキモチは久しぶり。



 頭の中がふわふわとして

 ドキドキしてとても楽しかった。



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