シンデレラ☆ジョブ

「美乃里、大丈夫なの!?」





 次の日

 講義前に里美が心配して

 聞きに来てくれた。





「うん、紹介で短期の住み込みが入ったから、取り合えず平気」



「住み込み!? ソレこそ大丈夫なの?」



 いぶかしそうに里美は眉を寄せて言う。

 心配してくれる気持ちが嬉しい。





「うん大丈夫、ほとんど家にいない人のお手伝いさんって感じだから、バイトも今まで通り出来るし」



「そっか……」



「うん、後はいい部屋を探すだけ」



「それにしても短期の住み込みなんて良く紹介してもらえたね?」



「あはは…、ラッキーだったよ」





 本当に、ね……。



 昨日

 ウインドウショッピングの後

 洋食屋さんで夕飯を食べた。





「取り合えず明日から3日間、出張でいないので好きに使っていいから」



「えっ!? ……あ、はい」





 いきなり知らない人を置いて

 よく家を空けられるなぁ





「あの、あたしは何をすればいいんでしょうか?」





 なんだかこれじゃあ

 お仕事していないみたいだ。





「なんとな~く、わかんない?」



「えっ!?」





 イタズラっぽくあたしの顔を覗き込む

 平井さんの顔に

 一瞬ドキッ、とした。





「……」





 これじゃあまるで……。





「もしかして彼女のフリ、とかですか?」



「正解」



「えぇ~っ!?」





 楽しそうに笑ってそう言うと

 平井さんはハンバーグを食べた。





「……」





 里美には言えそうにないな

 と、思った……。



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