センチメンタル・シュガー



12月25日、クリスマス

その日は二人の記念日



大切な、大切な

二人の始まりの日





…なのに



「えぇ!?明日仕事が入った!?」



「あー、うん」



それはクリスマス前夜、二人の住む小さなアパートで。

その言葉に夜中にも関わらず声をあげる私に、大和はそっけなく頷いてはネクタイをほどく。



「な、なんで…クリスマスだよ!?記念日だよ!?毎年その日だけは一緒に過ごそうって言ってるじゃん!」



「仕方ないだろ、取引先の都合があるんだから。そもそも毎年休み取れてたこれまでがラッキーだったんだって」



「なっ…」



「それに、澪だって今職場人手足らないって言ってただろ?仕事、出た方がいいんじゃないのか?」



「それは…そう、だけど」



「ってことで今年のクリスマスは特になし。どうしてもやりたいなら夜にケーキ食うだけ。まぁ夜も遅くなるけど」



「っ~…もういい!大和のバカ!!」




< 1 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop