人魚姫と海の涙
「ごめんなさい。それは無理です」


ごん、っと何か重いもので頭を強く打たれたような気がした。


「なん、で。ですか?」


「私が出来るのはあなたの選択を手助けすることだけ。過剰に力を使ってはなりません」


彼女は本当に辛そうに言った。


「申し訳ありません」


深々と頭を下げる彼女に八つ当たりなんか出来る筈がなかった。


「………もうすぐ、今日が終わってしまいます。あなたは選択しなければ」


優しい、けど冷たい口調で彼女は問いを繰り返す。
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