chocolate
週明、会社に着くと…
今までの会社と同じだった。

当り前なのだけれど
何か変わっていたらどうしようと
変にドキドキしていたから
私はとても、安心した。

そして先輩や後輩や
そして貴司も…変わっていない。

変わってしまったのは私だけ。

「おはよう。佐久真。」

目をパチクリして声の主を観た。
中西課長だった。

「おはようございます。」

…課長はチラリと私を観たけれど
ただそれだけで自席に着いた。

貴司も課長と
自席に居たまま挨拶していた。

先輩や後輩と雑談をして…

変わらないことへの安心を
私は初めて知った気がした。

貴司も相変わらずニコニコ笑って
私に話しかけたりしてくれた。

貴司にも言えない。
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