夏色の約束。~きみと生きた日々~


……どうしよう。


ものすごく、恥ずかしいんだけど……。


「……ほら、涙止まったでしょ?」


きっと赤くなってるであろうなつの顔を下から覗き込みながら、あおちゃんはにこっと口元を緩める。


……むぅ、なんか悔しいんだけど。


だからなつも、仕返しのつもりであおちゃんの頬に自分の唇を押し当てた。


そしたら今度は、あおちゃんの頬が真っ赤になって。


「夕日のせいだからね……っ」

「ゆ、夕日のせいだよ……っ」


そんななつたちの声が、夕焼け空の下で重なった。


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