夏色の約束。~きみと生きた日々~


胸も張り裂けそうなくらい痛くて、どうしようもなくて。


なつはもう一度あおちゃんの背中に手を添えると、その手を上下にさする。


あおちゃんの苦しみを緩和するために、これくらいのことしかできない自分の無力さにものすごく腹が立った。


「碧、頑張れ!大丈夫だ!」

「碧くん、私たちがついてるから」

「菜摘ちゃん、私たちにできること、なにかある!?」


あおちゃんの病気を知らないクラスメイトの子たちも、必死にあおちゃんを励まそうとしてくれていて。


こんなときなのに、このクラスの生徒でよかったと、なつたちはいい同級生に巡り会えたんだなと思った。


「あおちゃん、みんながいるよ。あおちゃんはひとりじゃない。だから、頑張れ……っ」


どうか、どうかあおちゃんが助かりますように。


大事に至ることがありませんように。


そう必死に願いながら、なつはあおちゃんに向かってそう声をかけ続けた。


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