夏色の約束。~きみと生きた日々~


「なーに言ってんの。菜摘、いつもの100倍くらい可愛くなってるわよ!」

「ひゃ、100倍!?」

「ふふっ。だって、お母さんの子だもの。可愛いに決まってるでしょ」

「……そういうことじゃないよ!」

「まあまあ。でも、本当に今日の菜摘可愛いわよ?きっと、碧くんも菜摘に惚れ直しちゃうわね」


そう言って意味深に笑うお母さんに少し呆れながらも、なつは舞い上がる心を隠せずにいた。


「小学校で最後の夏休みなんだから、しっかり楽しんできなさい」

「うん!お母さん、髪の毛も浴衣も、本当にありがとね」


なつがお母さんを見てにこっと笑うと、お母さんは目を細めて、なつの頭をそっと撫でた。


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