夏色の約束。~きみと生きた日々~


看護の大学は、長期期間中も予習や復習、課題で忙しいと聞いたから。


最低でも、4年間はここにくることができない。


「……寂しいなぁ。あおちゃんに会いたいと思っても、もう、すぐには会えなくなるんだもんね」


なつがポツリと呟くと、遠くの方でカラスの鳴く声が聞こえた。


頭の中に、大好きな君の無邪気で優しい笑顔が浮かぶ。


「……でも、頑張るからね。会えない不安や寂しさなんかに負けないんだから。次この島に帰ってくる頃には、立派な看護師になってるから」


なつがその場に立ち上がると、砂浜の砂がお尻からパラパラと落ちる。


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