夏色の約束。~きみと生きた日々~


「大丈夫、大丈夫……」


なつ、大丈夫だから。


ドキドキする胸を必死で抑えながら、大きく深呼吸を繰り返していると、目の前の家の扉が音をたてて勢いよく開いた。


「なっちゃん!」


なつを見てくしゃっと目を細めた彼は、真っ白なTシャツの上に青いシャツを羽織っていて、下は濃い紺色のジーンズを履いている。


「待たせてごめんね?」


そんなあおちゃんがあまりにも格好良すぎて、なつの視線はチラチラとさまよって行き場をなくす。


………あおちゃん、おしゃれになったよね。


心の中でひとり、なつはそう呟いてみる。


「なっちゃん、そのワンピース、すごく似合ってる!」

「へ?」

「だーかーら、そのワンピース! なっちゃん綺麗だから、よく似合ってるよ」


一瞬、胸が苦しくなって死んじゃうかと思った。


……あ、あおちゃん、なつのこと“綺麗”って、“ワンピース似合ってる”って言ってくれたよね?


やばいよ、なつ。


嬉しすぎて、胸がいっぱいいっぱいで。


「……ありがとう、あおちゃん」


きっと今、顔が真っ赤っかだろうな。


俯いていた顔をあげると、やっぱりなつの思った通りあおちゃんがなつの顔を見て笑う。


「真っ赤だね」


って。


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